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グリムノーツ The Animation、TBS他にて放送決定→2019年1月放送決定→BS-TBSでも放送&放送日時決定。

グリムノーツ The Animation
http://www.tbs.co.jp/anime/grimmsnotes/

TBS:2019年1月10日(木)深夜25:58~
BS-TBS:2019年1月12日(土)深夜26:30~

あかねさす少女、TVアニメ製作決定→10月より放送&放送局決定→放送日時決定→熊本でも放送決定。

あかねさす少女
http://akanesasushojo.com/

MX:10月1日より毎週(月)22:30~
読売テレビ:10月1日より毎週(月)深夜26:29~
RKK:12月3日より毎週(月)深夜25:58~
アニマックス:10月1日より毎週(月)19:30~
ANIMAX on PlayStation:10月1日より毎週(月)19:30より配信

ピアノの森第2シリーズ、NHK総合にて2019年1月より放送決定→放送日時決定。

ピアノの森第2シリーズ
http://piano-anime.jp/
https://www.nhk.or.jp/anime/piano/

NHK総合:2019年1月27日より毎週(日)深夜24:10~(近畿は24:50~)

同居人はひざ、時々、頭のうえ。、2019年放送決定→放送局決定→放送日時決定。

同居人はひざ、時々、頭のうえ。
https://hizaue.com/

ABC:2019年1月9日より毎週(水)深夜26:20~
MX:2019年1月10日より毎週(木)深夜24:00~
BS11:2019年1月10日より毎週(木)深夜24:30~
AT-X:2019年1月9日より毎週(水)23:30、(金)15:30、(日)8:30、(火)7:30~

ノラと皇女と野良猫ハート(2期?)、次期アニメ企画進行中。

ノラと皇女と野良猫ハート(2期?)
https://nora-anime.net/

・アニメ企画進行中。

論文批判その3の4。

論文批判その3の3(草稿)に続き、

渡辺真由子著「子どもポルノをめぐる国際動向と人権」(以下、「渡辺論文」というときはこの論文を指します。なお、「渡辺論文」の記述を引用するときは略した表記をしない場合があります)

における引用に関する問題点について批判を書こうと思います。今回は以下の3点に関して書こうと思いますが、明白な誤訳や妥当とは言い難い訳などであってもそれほど重要ではないものについては別の機会にし、今回は原典に存在せず読み取ることもできない文言が付加されている疑いのある部分について書こうと思います。

①引用して利用する文献の質の問題。
③外国語で書かれている文献を翻訳して引用する際の翻訳が妥当なものであるかという問題。
⑤その他の問題。

(1)原典に存在せず読み取ることもできない文言が付加されている疑いのある部分。

「性犯罪をめぐる法執行分野で新たに浮上している問題として、デジタル画像以外の、実在しない子どもの描写物に関するものが挙げられた。例として、日本製の「ロリコン」や「ショタコン」(少年少女に対する性的な虐待を描く内容)の漫画やアニメが、性犯罪に使用されている点が言及された。」

(上記カギ括弧内は渡辺真由子著「子どもポルノをめぐる国際動向と人権」16頁本文(空白行や各頁上部にある「渡辺論文」の掲載誌名等及びタイトルは本文に含まない。以下同じ)16~19行目より引用。以下、この部分を「渡辺論文の引用部分4」と表記します)

「渡辺論文の引用部分4」を含む「渡辺論文」16頁本文13行目の「報告では」から同頁21行目までは、「渡辺論文」脚注70及び参考文献[01]に記載されているBaines,V.著「Online child sexual abuse:The law enforcement response」(2008年)という文献(以下、この文献を「Baines文献」と表記します。なお、「Baines文献」の記述を引用するときは略した表記をしない場合があります)の9頁から間接引用しているという体裁で記述されているところ、

原典である「Baines文献」は、「渡辺論文」参考文献[01]の記述によれば2014年6月12日時点ではhttp://resources.ecpat.net/worldcongressIII/PDF/Publications/ICT_Law/Thematic_Paper_ICTLAW_ENG.pdf(リンク切れ)に掲載されていたようですが、現在はリンク切れになっており、ECPAT Internationalホームページで検索してみると、

http://www.ecpat.org/wp-content/uploads/2016/04/Thematic_Paper_ICTLAW_ENG.pdfに掲載されている文献と「Baines文献」は、タイトルが一致し、著者の名のイニシャル及び姓が一致し、作成年ないし発行年もhttp://www.ecpat.org/wp-content/uploads/2016/04/Thematic_Paper_ICTLAW_ENG.pdfに掲載されている文献の1頁より前の頁番号が振られていない部分の最初の頁中の「25-28 November 2008」という記載等に照らせば一致し、URLも最後の「Thematic_Paper_ICTLAW_ENG.pdf」という部分が一致していることから、

「Baines文献」は、現在はhttp://www.ecpat.org/wp-content/uploads/2016/04/Thematic_Paper_ICTLAW_ENG.pdfに掲載されていると考えられ、

以下では「Baines文献」とhttp://www.ecpat.org/wp-content/uploads/2016/04/Thematic_Paper_ICTLAW_ENG.pdfに掲載されている文献は同一であるということを前提としますが、その1頁より前の頁番号が振られていない部分の3頁目における記載から「Baines文献」の著者はVictoria Baines氏のようですので著者名については以下そのように記述することとして、

その9頁を読んでみると、「渡辺論文の引用部分4」は、用いられている単語等から判断すると、

「The emerging issue for law enforcement, however, in terms of offending behaviour, is that of non-photographic material, eg the use of lolicon or shotacon hentai (Japanese cartoons or animation depicting the sexual abuse of young girls and young boys respectively),21」

(上記カギ括弧内はVictoria Baines著「Online child sexual abuse:The law enforcement response」9頁19~22行目より引用(空白行は行には数えない。以下同じ)。以下、この部分を「Baines文献の被引用部分4」と表記します)

という部分を間接引用しようとしたのではないかと思われるわけですが、この部分には注番号21が付されていますので、その内容を確認すると、

「21 Use of which was correctly predicted to rise by ECPAT International (2005) p.32.」(Victoria Baines著「Online child sexual abuse:The law enforcement response」47頁29行目を引用)と記載されており、

それを一応訳すと「21 その利用が増加するとECPAT International (2005)32頁によって正確に予測された」となると思いますが、ここでいう「ECPAT International (2005)」とは、「Baines文献」50頁以下の「Bibliography」のところを見ると、

「ECPAT International. Violence Against Children in Cyberspace, ECPAT International.Bangkok. 2005.」(Victoria Baines著「Online child sexual abuse:The law enforcement response」50頁13~14行目を引用)という文言で表されている文献のことであると思われ、この文献をECPAT Internationalホームページで検索してみると、

http://www.ecpat.org/wp-content/uploads/2016/04/Cyberspace_ENG_0.pdfに掲載されている文献のことであると思われ、その32頁の中で未来予測に関する部分は、

「The report expected the market for moe products to expand.」(Deborah Muir著「Violence against Children in Cyberspace」32頁右側21~22行目より引用。なお、この文献の著者名及びタイトルについては1頁より前の頁番号が振られていない部分の4頁目によります)という部分しかなく、これを一応訳すと「そのレポートは萌え製品に関する市場が拡大すると予想した」となると思いますが、

(そのレポートについてはDeborah Muir著「Violence against Children in Cyberspace」32頁及び脚注23を見てもタイトルが不明ですが、おそらくhttps://www.yokohama-ri.co.jp/html/report/pdf/pr050401.pdf

Deborah Muir著「Violence against Children in Cyberspace」32頁で予想されていたのは萌え製品に関する市場が拡大するということであるということを前提とし、かつ、「the market for moe products(books, images and games), which are related to anime and manga」(Deborah Muir著「Violence against Children in Cyberspace」32頁右側5~7行目より引用)等の記載も考慮して注21の文中の「Use of which」の意味を考えると、

この「Use of which」は、「use of lolicon or shotacon hentai(Japanese cartoons or animation depicting the sexual abuse of young girls and young boys respectively),21」(Victoria Baines著「Online child sexual abuse:The law enforcement response」9頁21~22行目より引用)を指すわけですが、

上記前提等から、ここでいう「use」とは「lolicon or shotacon hentai」を書籍やゲームに描くという利用ないし「lolicon or shotacon hentai」を描いた書籍やゲームを販売するという利用のことであると考えられます。

さて、ここで「渡辺論文の引用部分4」に話を戻しますが、「渡辺論文の引用部分4」は「性犯罪に使用されている」との文言を用いていますが、「Baines文献の被引用部分4」には「性犯罪に」を意味する語が存在せず、「Baines文献」9頁全体を見ても「Baines文献の被引用部分4」における「use」が「性犯罪に使用」という意味であるということを読み取れる記述は存在せず、

それどころか注21から参考文献までたどって行けば、上述したように「Baines文献の被引用部分4」における「use」とは「lolicon or shotacon hentai」を書籍やゲームに描くという利用ないし「lolicon or shotacon hentai」を描いた書籍やゲームを販売するという利用のことであると考えられるのであって、

「Baines文献の被引用部分4」における「use」に関して、「渡辺論文の引用部分4」は「Baines文献の被引用部分4」を含む「Baines文献」9頁には存在せず読み取ることもできない「性犯罪に」という文言を付加している疑いが濃いと言わざるを得ません。

なお、翻訳上の問題として、issueにはネット上で利用できる英英辞典、例えばhttps://en.oxforddictionaries.com/definition/issueによると「An important topic or problem for debate or discussion」などといった意味があり、https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/issueによると「a subject or problem that people are thinking and talking about」といった意味があり、https://www.merriam-webster.com/dictionary/issueによると「a matter that is in dispute between two or more parties」などといった意味があり、単なる「問題」というより議論等における問題点という感じであり日本語訳するなら「論点」などが妥当だと思います。

また、offendingにはhttps://en.oxforddictionaries.com/definition/offendingによると「Causing problems or displeasure」といった意味もあり、https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/offendingによると「unwanted, often because unpleasant and causing problems」といった意味もあり、日本語訳するなら「不快な」くらいの意味があります。

ところで、イギリスで非写真的なものが違法とされたのはCoroners and Justice Act 2009(2009年検死官及び司法法。非写真的なものの所持の犯罪化は62条以下。施行は2010年4月6日)からであり、「Baines文献」が書かれた2008年当時は「Baines文献」9頁28~35行目に記述されているように非写真的なものはイギリスでは違法ではなく、違法化について議論されていた段階だったと思われますし、

2009年検死官及び司法法62条により所持が規制された画像について、同条(2)は

「(2) A prohibited image is an image which—
(a) is pornographic,
(b) falls within subsection (6), and
(c) is grossly offensive, disgusting or otherwise of an obscene character.」

(上記カギ括弧内はhttp://www.legislation.gov.uk/ukpga/2009/25より引用)と規定していることも考慮すると(特に(c)の部分)、

「Baines文献の被引用部分4」の「issue」「offending behaviour」はそれぞれ「論点」「不快な行為」などと訳すのが妥当だと思います。

最後に「Baines文献」9頁4~22行目の質の問題ですが、「Baines文献」9頁はまず5~6行目でサイバー犯罪条約9条2項(c)に言及しており、それを読んだ後に「Baines文献」9頁19~22行目にある「Baines文献の被引用部分4」を読むと、「behaviour」「use」などといった単語からサイバー犯罪条約の注釈書英語版102段落後段の

「Paragraphs 2(b) and 2(c) aim at providing protection against behaviour that, while not necessarily creating harm to the 'child' depicted in the material, as there might not be a real child, might be used to encourage or seduce children into participating in such acts, and hence form part of a subculture favouring child abuse.」

(上記カギ括弧内はhttps://rm.coe.int/CoERMPublicCommonSearchServices/DisplayDCTMContent?documentId=09000016800cce5bより引用)を連想することがあるはずで、

(この注釈書英語版102段落後段は、要するにサイバー犯罪条約9条2項(b)及び(c)で言及されているものは性的行為に参加するよう児童を誘惑したりするのに使われるかもしれないということが規制理由であるということを述べています)

その結果、読み手が「Baines文献」9頁19~22行目にある「Baines文献の被引用部分4」の「use」とは性的行為に参加するよう児童を誘惑したりする(ために児童に見せる)という使用のことであろうと早とちりする可能性が当然に考えられます。

そのように読み手に早とちりさせるような構造になっているにもかかわらず、「Baines文献」9頁及び注21では「use」とは具体的にどのような「use」なのかを明記せず注から参考文献をたどって行かないとわからないようになっており、少なくとも読み手に内容を正確に伝えようとしているとは言えない記述であるといわざるを得ません。

Fate Project 大晦日TVスペシャル2018、放送決定。

Fate Project 大晦日TVスペシャル2018

MX:12月31日(月)21:00~
群馬テレビ:同上
とちぎテレビ:同上
BS11:同上
AbemaTV:12月31日(月)21:00より配信
ニコニコ生放送:同上

・ソースはhttps://www.fate-sn.com/news/?article_id=49081

論文批判その3の3(草稿)。

論文批判その3の2に続き、

渡辺真由子著「子どもポルノをめぐる国際動向と人権」(以下、「渡辺論文」というときはこの論文を指します。なお、「渡辺論文」の記述を引用するときは略した表記をしない場合があります)

における引用に関する問題点について批判を書こうと思います。今回は以下の5点に関して書こうと思いますが、明白な誤訳や妥当とは言い難い訳などであってもそれほど重要ではないものについては別の機会にし、今回は重要な内容かつ引用されている原典の内容と明らかに異なるという疑いのある部分について書こうと思います。

①引用して利用する文献の質の問題。
②間接引用する際の要約や言い換えが原典の内容に忠実なものであるかという問題。
③外国語で書かれている文献を翻訳して引用する際の翻訳が妥当なものであるかという問題。
④出所の明示が適切なものであるかという問題。
⑤その他の問題。

(1)引用されている原典の内容と明らかに異なるという疑いがある部分その1。

「オーストラリア連邦警察による調査結果(2008年)が紹介された。それによれば、同国における子どもへの性犯罪50件の内10件で、加害者が子どもの性搾取的な素材を所有していたことが明らかになり、その大半は日本製の漫画だったという。」

(上記カギ括弧内は渡辺真由子著「子どもポルノをめぐる国際動向と人権」15頁本文(空白行や各頁上部にある「渡辺論文」の掲載誌名等及びタイトルは本文に含まない。以下同じ)33行目から16頁本文3行目までより引用。以下、この部分を「渡辺論文の引用部分3」と表記します)

まず、「渡辺論文の引用部分3」は出所の明示という点で問題がないとはいえないということを書いておきます。

「渡辺論文」内で他の文献が間接引用されているとき、「渡辺論文」の具体的にどの部分が他の文献から間接引用した部分なのかが明確とは言えない場合があり、

脚注番号69が付されている「渡辺論文」16頁本文7~10行目に関しては、同頁本文7~9行目のカギ括弧内の記述が「渡辺論文」脚注69及び参考文献[06]に記載されているDr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer著「CHILD PORNOGRAPHY AND SEXUAL EXPLOITATION OFCHILDREN ONLINE」(2008年)という文献(以下、この文献を「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」と表記します。ただし、この文献の記述を引用するときは略した表記をしない場合があります)の17~20頁からの直接引用であるということが表示されていると言えるものの(ただし、別の大問題があることについて論文批判その3の2)、

「渡辺論文」16頁本文7~10行目までとは段落すら異なる「渡辺論文の引用部分3」は、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」17~20頁からの間接引用であるということが明示されているとは言い難く、

せめて段落ごとに、この段落の記述については「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」の何頁何~何行目からの引用であるということを明示すべきだと思います。

さて、「渡辺論文の引用部分3」は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」17~20頁から間接引用されたものであるということが明示されているとは言い難いものの、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」17~20頁から間接引用されたものであるということが読み取れなくもないとして話を進めますが、

論文批判その3の2で記述したように、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」は現在はhttp://www.ecpat.org/wp-content/uploads/2016/04/Thematic_Paper_ICTPsy_ENG.pdfに掲載されていると考えられるところ、

その17~20頁を読んでみたとき、「渡辺論文の引用部分3」は用いられている単語等から判断すると、

「In the report by Baartz (2008) of Australian offenders,investigators gave detailed responses to the child exploitation material found in 10 of the 50 cases identifed. One such investigator reported, “A vast majority of the collection were cartoon drawings from Japan.」

(上記カギ括弧内はDr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer著「CHILD PORNOGRAPHY AND SEXUAL EXPLOITATION OFCHILDREN ONLINE」19頁30~33行目より引用(以下、この部分を「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」と表記します)。「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」のうち「One such investigator」の報告部分は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」106頁に参考文献として挙げられているBaartz, D著「Australians, the Internet and technology-enabled child sex abuse: A statistical profile」(以下、この文献を「Baartz調査」と表記します)の24頁からの直接引用という体裁で記述されています。なお、「One such investigator」の報告は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の後にもう少し続きますがこの記事では特に引用する必要がないため途中までしか引用しません)

という部分を間接引用しようとしたのではないかと思われるわけですが、

https://aifs.gov.au/our-work/resources/aifs-libraryというページの「online library catalogue」という部分をクリックして飛んだページで「the Internet and technology」と入力して検索すると出てくるページの「Baartz調査」に関する部分には、他のページにリンクが張ってある「URL」という文字が存在しませんので、おそらく「Baartz調査」はインターネット上では公開されていないと思います。)

この「Baartz調査」は「渡辺論文」の参考文献には記載されていないことから、「渡辺論文の引用部分3」は、「Baartz調査」の内容を直接確認したわけではなく、「Baartz調査」の内容を参照・引用している「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」からの孫引きと思われ、しかも「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」は「One such investigator」の報告部分だけは直接引用ですがその他の部分は直接引用ではなく、「渡辺論文の引用部分3」はそれを翻訳したうえでの間接引用ですので、

そのような形式面だけ見ても、「渡辺論文の引用部分3」は大元の文献である「Baartz調査」の内容を正確に反映しているのか非常に疑問ですが、それはとりあえずおいて、以下では「渡辺論文の引用部分3」は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の内容と一致しているかという点だけを検証することにします。

なお、具体的な検証に入る前に書いておきますが、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」の「Baartz調査」の内容に関する記述は、詳しい情報や説明等が別の離れた場所で後出しされていたり、広い意味を持つため具体的には何を意味しているのかはっきりしない語を用いていたり、文脈から切り離して直接引用しているため具体的に何を指しているのかわからなくなっている語があったり、データがどのように扱われたのか不明だったりするなど、質に非常に問題のある資料であり、たとえ大元の文献である「Baartz調査」が入手できなかったとしても「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」を情報源として孫引きすること自体が問題であると言わざるを得ないということをあらかじめ指摘しておきます。

(2の1)「渡辺論文の引用部分3」と「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の内容が明らかに異なるという疑いがあることについてその1。

「渡辺論文の引用部分3」は「子どもへの性犯罪」「加害者」という文言を用いているところ、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の中でそれに近い意味もしくは関連性を持つ語は「offenders」のみです。

offendersという英単語はoffenderの複数形であり、offenderにはネット上で利用できる英英辞典、例えばhttps://en.oxforddictionaries.com/definition/offenderによると「A person who commits an illegal act.」などといった意味があり、https://www.merriam-webster.com/thesaurus/offenderによると「a person who has committed a crime」といった意味があり、https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/offenderによると「a person who is guilty of a crime」といった意味があり、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」では「investigator」(文脈的には「捜査官」)という語も用いられていることをあわせ考慮すると、ここでは「犯罪者たち」「違法な行為(刑罰法規に違反する行為)をした者たち」といった意味であると思われるわけですが、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」を含む「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」17~20頁には、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「offenders」がどのような刑罰法規に違反した者たちであるかについては明示されておらず、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「offenders」がどのような行為を行ったかについても「cartoon drawings」を収集していた事例が存在するということ以外は記述されていません。

ところで、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」は19頁30~37行目のほか、「渡辺論文」脚注69の記載には含まれていない30頁9行目から31頁12行目(30~31頁表3の部分を含む。ただし、空白行や30~31頁表3の部分は行には数えない。以下同じ)や37頁7~11行目などでも「Baartz調査」の内容について記述しており、

30頁9行目から31頁12行目及び37頁7~11行目の記述とも照らし合わせて「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の内容を考えると、

まず、「Baartz調査」の内容について記述する「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」内の「Australian offenders」については、別の離れた場所に記述されている

「Baartz’s (2008) study of Australian Internet sex offenders」(Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer著「CHILD PORNOGRAPHY AND SEXUAL EXPLOITATION OFCHILDREN ONLINE」30頁9行目より引用)との記述から、インターネット及び性に関連のある犯罪構成要件を持つ刑罰法規に違反した者たちであることは明らかであり、

その記述から始まる「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30頁9行目から31頁11行目の記述に照らせば、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「Australian offenders」ないし「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30頁9行目の「Australian Internet sex offenders」とは、オーストラリアにおいて児童や若い人間の性的な画像(これにはcartoonないしcartoon drawingsが含まれる)をインターネットを利用して収集・取得した者たちのことであると考えられます。

なお、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」37頁7~9行目の記述に照らせば、「Baartz調査」は2005年3月1日以降に行われたものであることがうかがわれ、2005年3月1日時点でオーストラリアの連邦刑法(Criminal Code Act 1995。以下、単に「連邦刑法」というときはこの法律を指します)には、

「child pornography material」に「access」(アクセスする。以下、連邦刑法中の動詞「access」については定義規定に言及する場合を除いて「アクセスする」という語で表記します)ために「carriage service」を利用することを犯罪とする474.19条及び「child abuse material」にアクセスするために「carriage service」を利用することを犯罪とする474.22条が存在し(当時の条文についてはhttps://www.legislation.gov.au/Details/C2005C00107参照)、

474.19条及び474.22条がいうところの「access」「child pornography material」「child abuse material」については473.1条の中に定義が存在し、「carriage service」については連邦刑法の末尾の「Dictionary」の中に定義が存在します。

連邦刑法473.1条における定義上、18歳未満の人間(person who is under 18 years of age)を描写しているものだけでなく、18歳未満であるように見える人間(person who appears to be under 18 years of age)や18歳未満であるように見える人間の表現(representation of a person who appears to be under 18 years of age)を描写しているものも「child pornography material」や「child abuse material」に該当し得ることが明らかであり、

(「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30頁10行目の「young people」は、おそらく18歳未満であるように見える人間のこと。)

さらに、2004年の法改正時のExplanatory Memorandumには、

「Child abuse material is defined to cover material that depicts or describes a person who is under 18, or who appears or is implied to be under 18, as a victim of torture, cruelty or physical abuse, and does so in a way that reasonable persons would regard as being, in all the circumstances, offensive. Paragraph (a) of the definition deals with ‘depictions’ and is intended to cover all visual images, both still and motion, including representations of children, such as cartoons or animation.」

「Child pornography material is defined to cover a range of material including that which depicts or describes persons under 18 engaged in a sexual pose or sexual activity, or in the presence of a person who is engaged in a sexual pose or sexual activity. The definition also covers material the dominant characteristic of which depicts for a sexual purpose the sexual organs, the anal region or the breasts (in the case of a female) of a person who is under 18. Paragraphs (a) and (b) of the definition deal with ‘depictions’ and are intended to cover all visual images, both still and motion, including representations of children, such as cartoons or animation.」

との記載がそれぞれ存在することから、2005年3月1日から2006年の間には「child pornography material」及び「child abuse material」の定義におけるmaterial that depicts a representation of a personについては(描かれているキャラクターは非写実的であることが通常である)漫画・アニメを含むものとして解釈・運用されていたと考えられます。

(その後、ニューサウスウェールズ州最高裁2008年12月8日判決が出るわけですが、それはまた別の話。

なお、法律より優越する効力を有する基本法のうちの1つである統治法2章1条1項1号及び2号で表現の自由及び情報の自由(日本でいうところの知る自由)が保障されているスウェーデンや、表現の自由を保障する日本国憲法21条及びその解釈(最高裁昭和58年6月22日判決・ 民集37巻5号793頁最高裁平成元年3月8日判決・民集43巻2号89頁)により知る自由が保障されている日本や、同じく表現の自由を保障するアメリカ合衆国憲法修正1条及び修正14条並びにそれらの解釈(アメリカ連邦最高裁1943年5月3日判決アメリカ連邦最高裁1965年5月24日判決アメリカ連邦最高裁1976年5月24日判決など)によりとして知る自由が保障されているアメリカなどとは異なり、オーストラリア連邦憲法には包括的な表現の自由・知る自由を保障する条項は存在しません。

部分的には、信教の自由を保障するオーストラリア連邦憲法116条により宗教活動としての表現は保護されていると思いますし、オーストラリア高等裁判所と呼ばれる連邦最高裁の判例上(例えばhttp://eresources.hcourt.gov.au/showbyHandle/1/8968とかhttp://eresources.hcourt.gov.au/showbyHandle/1/8896とかhttp://eresources.hcourt.gov.au/showbyHandle/1/11849とかhttp://eresources.hcourt.gov.au/downloadPdf/2017/HCA/43とか)、オーストラリア連邦憲法は政治的コミュニケーションの自由を保障していると解釈されているため政治的コミュニケーションについても保護されていますが、宗教性も政治性もない表現については保護されていないと思います。

また、条約が法律より優越する効力を有する旨を憲法が明記している国もありますが、オーストラリア連邦憲法にはそのような条項は見あたりません。)

また、「carriage service」については「carriage service has the same meaning as in the Telecommunications Act 1997.」(https://www.legislation.gov.au/Details/C2005C00107より引用)と定義されており、2005年1月1日及び同年3月3日時点で「Telecommunications Act 1997」には

「7  Definitions
    In this Act, unless the contrary intention appears:」(中略)
「carriage service means a service for carrying communications by means of guided and/or unguided electromagnetic energy.」

との規定が存在し(上記2つのカギ括弧内はhttps://www.legislation.gov.au/Details/C2005C00001より引用。2005年3月3日時点のものはhttps://www.legislation.gov.au/Details/C2005C00159)、この規定に照らせばインターネットを利用して画像を送受信する(ことができるようにする)サービスは「carriage service」に含まれるものと思われることから、

オーストラリアでは遅くとも2005年3月1日以降は、連邦刑法が定義するところの「child pornography material」または「child abuse material」にアクセスするためにインターネットを利用する行為は連邦刑法474.19条(1)または474.22条(1)に該当する犯罪になると考えられます。

したがって、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30頁9行目から31頁11行目の記述と照らし合わせれば、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「Australian offenders」は「オーストラリアの犯罪者たち」という意味と考えられ、どのような犯罪者たちであるかについては、「child pornography material」にアクセスするためにインターネットを利用するということを犯罪構成要件とする連邦刑法474.19条(1)に違反した者たちであると考えられます。

ところで、「Baartz調査」が扱っている事件の件数は、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」内の「the 50 cases identifed」との記述や「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」37頁9行目の「50 in total」との記述及び「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3の「Number」欄の数字と「Percentage」欄の数字の関係から全50件であることは明白であるところ、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3の「Activity」欄のうちの「Explicitly harmful acts or actions (e.g. physical violence,torture, bondage etc.).」という項目に関する「Number」欄に記載されている「13」という数字等に照らせば、「Baartz調査」が扱っている全50件の事件のうちの一部の事件の「Australian offenders」は「child abuse material」にアクセスするためにインターネットを利用することを犯罪構成要件とする連邦刑法474.22条(1)にも違反した者たちであると考えられます。

(件数については最小13件。これに「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3の「Activity」欄のうち内容のよくわからない「Dehumanising and degrading activities (e.g. use of urine and excrement, extreme close-ups etc.).」という項目及び「Physical and/or verbal expression of fear and/or distress.」という項目に関する「Number」欄に記載されている数字をすべて足せば最大28件)。

(なお、連邦刑法には2005年時点のものにも2018年11月現在のものにも、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」で用いられている「child exploitation material」という語は見あたりませんが、おそらく連邦刑法が定義するところの「child pornography material」及び「child abuse material」の両方を含むものとして用いたのではないかと思います。)

さらに、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「Australian offenders」が連邦刑法474.19条(1)または474.22条(1)に該当する行為以外の犯罪を行ったかについては、

「Some of them have a history of prior offending,」(Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer著「CHILD PORNOGRAPHY AND SEXUAL EXPLOITATION OFCHILDREN ONLINE」31頁5行目より引用)との記述から、その者たちの一部には犯罪歴があることがうかがわれますが、この犯罪歴がどのような犯罪によるものであるかは「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」17~20頁及び30頁9行目から31頁11行目には記述がありません。

「Baartz調査」の内容について記述している「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」37頁7~11行目には、「14% were apprehended for online grooming」(Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer著「CHILD PORNOGRAPHY AND SEXUAL EXPLOITATION OFCHILDREN ONLINE」37頁10~11行目より引用)との記述があり、それによれば全50件のうちの14%に当たる7件については「online grooming」(おそらく連邦刑法474.27条が規定する行為)を理由として逮捕されているわけですが、これと前述した「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁5行目が言うところの「history of prior offending」との関係ははっきりしません。

また、「Baartz調査」の内容について言及している「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30頁9行目から31頁11行目の直後に、「Here we examine what is known about people who commit sexual offences against children」(Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer著「CHILD PORNOGRAPHY AND SEXUAL EXPLOITATION OFCHILDREN ONLINE」31頁12行目より引用)との記述があるわけですが、ここでいう「sexual offences against children」とは具体的にはどのような犯罪なのかが不明確で、

上述のように「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「Australian offenders」とは、オーストラリアにおいて「child pornography material」にアクセスするためにインターネットを利用することを犯罪構成要件とする連邦刑法474.19条(1)に違反した者たちであると考えられるところ(このうち一部の者については474.22条(1)やおそらく474.27条にも違反)、

「child pornography material」にアクセスする(連邦刑法における「access」の定義ではコンピューターのディスプレイに「child pornography material」を表示することが含まれる)ためにインターネットを利用したならば、ほぼ必然的に「child pornography material」を見ていると考えられ(「child pornography material」にアクセスするためにインターネットを利用したがディスプレイに表示された「child pornography material」を見ていないということは理論上は有り得るものの現実的にはまず考えられません)、

「child pornography material」にアクセスするためにインターネットを利用するという行為と(それによってディスプレイに表示された)「child pornography material」を見るという行為はほぼ重なる極めて密接に関連する行為であるところ、

「viewing illegal images and the risk of further offences against children」(Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer著「CHILD PORNOGRAPHY AND SEXUAL EXPLOITATION OFCHILDREN ONLINE」36頁6~7行目より引用)との記述から、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」では(childに関する)違法な画像を見ることは「offences against children」に含まれるということを前提としていることは明白であり、

したがって、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目がいうところの「sexual offences against children」とは、児童を相手方として性的行為を行うといった犯罪に限定されるような狭い概念ではなく(児童及び性に関する要素のある)違法な画像を見るという行為も含まれるような広い概念であることは明らかであり、

また、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」20頁36~38行目の記述から、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」の著者らは「virtual」であるものも含めてchild pornographyの所持などは「against all children」であると認識しているということも明らかであり、

それらを前提とすると、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目では、virtualであるものも含む「child pornography material」にアクセスするためにインターネットを利用したという犯罪を指すものとして「sexual offences against children」という語を用いた可能性が考えられ、

また、virtualであるものも含む「child pornography material」にアクセスするためにインターネットを利用したという犯罪及び「online grooming」(おそらく連邦刑法474.27条が規定する犯罪)の2つを表すためにそれらを包括する語と言えなくもない「sexual offences against children」という語を用いた可能性も考えられ、

少なくともそれらの可能性を排除できず、そのような可能性が排除されない以上、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目の「sexual offences against children」という語で表されている犯罪が、オーストラリアにおいてvirtualであるものも含む「child pornography material」にアクセスするためにインターネットを利用したという犯罪や「online grooming」(おそらく連邦刑法474.27条が規定する犯罪)とは別の犯罪であると断定することはできません。

別の犯罪であると解釈する余地が存在しないとは言いませんが、別の犯罪であると解釈することが妥当であるとする根拠は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」には見あたらないと思います。

さて、以上のように「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「Australian offenders」とは、具体的にはオーストラリアにおいて「child pornography material」にアクセスするためにインターネットを利用することを犯罪構成要件とする連邦刑法474.19条(1)に違反した者たちであると考えられ、このうち一部の者(最小13件・最大28件)についてはオーストラリアにおいて「child abuse material」にアクセスするためにインターネットを利用することを犯罪構成要件とする連邦刑法474.22条(1)にも違反した者と考えられ、また、一部の者(7件)については連邦刑法474.27条にも違反した可能性があり、

それら以外の犯罪を行ったかどうかについては、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」19頁30~37行目、30頁9行目から31頁11行目、37頁7~11行目には記述されておらず、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目についてもそれら以外の犯罪を指していると断定できるものではありません(それら以外の犯罪を指していると解釈する合理的な根拠もないと思います)。

さて、ここで「渡辺論文の引用部分3」に話を戻しますが、「渡辺論文の引用部分3」では「子どもへの性犯罪」「加害者」という語が用いられているところ、これらは「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の記述と一致しているとは言えず少なくとも明らかに不適切です。

まず、「加害者」という語についてですが、加害者という日本語は他者に害を加えた者を意味します(言うまでもないと思いますが他者に害を将来加えるかもしれない者という意味は含まれません)。

一方、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」で用いられている「offenders」という英単語は「犯罪者たち」「違法な行為(刑罰法規に違反する行為)をした者たち」といった意味であり、他者に害を加えた者であるか否かは無関係です。

したがって、「offenders」を「加害者」という語で表すことはこの時点で少なくとも不適切であり、さらに、具体的な文脈を考慮したときに「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「offenders」を「加害者」という語で表しても問題にならないかということを検討しても、

「Baartz調査」の内容について記述している「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」19頁30~37行目及び30~31頁表3及び30頁9行目によれば、「Baartz調査」が扱っている全50件のうちの1件でoffenderが近親姦などの性行為等が描かれている「cartoon drawings」を収集・取得していたことが明らかであり犯罪にインターネットを利用していたことも明らかですが、

この1件のoffenderが収集・取得していた「cartoon drawings」のうちに実在する人間を描写したものが存在したという旨の記述は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」には見あたらず(むしろcartoonである以上、実在する人間ではなく想像上の実在しないキャラクターを描いたものである可能性が高いと考えるのが自然です)、

性行為等を行う実在する人間が描写されている画像(連邦刑法473.1条が定義するところの「child pornography material」に該当するものに限る)を収集・取得する行為については、ほとんどの場合においてその描写されている実在する人間のプライバシー(私事をみだりに開示されない利益)を侵害するとは言えるとしても、

近親姦などの性行為等を行う想像上の実在しないキャラクターが描かれているcartoon drawingsをインターネットを利用して収集・取得したというだけでは、他者に害を加えたとは言えません。

(他の人間が誰も存在しない場所で近親姦などの性行為等を行う想像上の実在しないキャラクターが描かれているcartoon drawingsをインターネットを利用して収集・取得する行為は、他の人間の生命・身体にも精神にも何ら干渉しない行為であり、他者に害が発生するということはありえません。行為時に他の人間が当該行為を認識できる場所に存在したならば当該人間の精神に何らかの影響がありえると言うことは可能ですが、「Baartz調査」が扱っているその1件について、行為時に他の人間が当該行為を認識できる場所に存在したという記述は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」には見あたりません。)

また、この1件のoffenderが「cartoon drawings」をオーストラリアにおいてインターネットを利用して収集・取得したという行為以外の(childに関連のある)行為を行ったということを断定できる記述も「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」には見あたりません。

以上のように、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」にはこの1件のoffenderが他者に害を加えた者であるとの記述は見あたらないのであり、少なくとも「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」の記述からはこの1件のoffenderが他者に害を加えたか否かは不明というほかないのであって、少なくともこの1件のoffenderについて「加害者」という語で表すことは原典の内容と一致するとは言えず少なくとも不適切です。

なお、言うまでもないと思いますが、「加害者であるかもしれない者」という日本語と「加害者」という日本語は完全に意味が異なります。

次に、「子どもへの性犯罪」という語についてですが、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」で用いられている「offenders」は文脈(特に「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」内の「investigators」という語)を考慮すれば「犯罪者たち」という意味であると解することが十分に可能ですので「犯罪」という部分については問題ないとして、

「子どもへの」及び「性」という部分については「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」に存在しない記述であり、

「渡辺論文」脚注69に記載されている「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」17~20頁にも「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」内の「offenders」が行った犯罪が「子どもへの性犯罪」である旨の記述は存在せず、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」のうち「渡辺論文」脚注69の記載に含まれていない部分も考慮すれば、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30頁9行目の「Internet sex offenders」との記述から「性」という部分については原典と一致していたことになりますが、同じ場所に記述されている「Internet」という部分が落ちている点で原典の内容と一致しません。

また、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目には「sexual offences against children」という記述がありますが、まず、"への"という日本語と"against"という英語は意味が異なります。

"への"という日本語は、「の」は前の語が後ろの名詞を修飾しているということを示す助詞であり、「へ」は動作の向けられた方向もしくは動作の対象・相手方を示す助詞です。

「友人への贈り物」といった語を思い浮かべてもらえばなんとなくわかると思いますが、このような場合は「への」の後ろの語に含まれている動作(この例では「贈る」)の対象・相手方が「への」の前の人間(この例では「友人」)であることを示しています。

一方、"against"という英語は対抗・対立を表す前置詞であって、動作の向けられた方向もしくは動作の相手方を示すとは限りません。

あまり良い例が思いつきませんが、アメリカ合衆国憲法修正5条の中の「nor shall be compelled in any criminal case to be a witness against himself」という部分で用いられているagainstについて考えると、そもそも刑事事件における証人になるという動作は動作の対象・相手方が存在しませんし、

例えば「He witnessed against the accused.」という文で用いられているagainstについて考えると、(被告人に不利な)証言をするという動作の対象・相手方は裁判所において事実認定権限を有する者であって「the accused」が動作の対象・相手方ではありません。

つまり、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目で用いられている「sexual offences against children」という語については、「sexual offences」という語で表される具体的な動作の対象・相手方が「children」であるとは限らず、何らかの意味・形で「children」にとって不利であると「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」の著者らが考える「sexual offences」であるという可能性があります。

よって、「渡辺論文の引用部分3」の「子どもへの性犯罪」という語は原典の内容と一致しているとは言えず不適切です。

さらに、「渡辺論文の引用部分3」の「子どもへの性犯罪」という語は、それが具体的にどのような性犯罪を指しているのか不明確ですが、「への」という語から「子ども」が動作の相手方であると読み手に認識されるとともに「加害者」という語ともあいまって、少なからぬ読み手にここでいう「子どもへの性犯罪」とは実在する児童を相手方として性的行為を行うといった性犯罪のことであるかのように認識させると思われ、さらに、そのような性犯罪のことではなさそうであると読み手に思わせる記述(打ち消し的な記述)は「渡辺論文」内には見あたりません。

一方、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目の「sexual offences against children」という語も、それが具体的にどのような性犯罪を指しているのか不明確ですが、上述したように「against children」という文言からは「sexual offences」という語が表している具体的な動作の対象・相手方が「children」であるとは言えず、

しかも、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」20頁36~38行目には、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」の著者らは「virtual」であるchild pornographyの所持という実在する児童が一切関わらない行為についても「against all children」であると認識していると読み手に認識させる記述があることから、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目の「sexual offences against children」とは、実在する児童が一切関わらない性犯罪を含むものであるかもしれないと読み手に一応認識させ得る記述があると言え、

また、上述したように「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」36頁6~7行目には、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」では(childに関する)違法な画像を見ることは「offences against children」に含まれるということを前提としていると読み手に認識させる記述があることから、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目の「sexual offences against children」とは、実在する児童の身体(身体そのもののこと。身体を描写した画像は含まれない)を動作の対象とする性犯罪のことではないかもしれないと読み手に一応認識させ得る記述があると言え、

さらに、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」内の「Baartz調査」の内容について言及している部分はすべて総合すると、上述したように「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目の「sexual offences against children」とはvirtualであるものも含む「child pornography material」にアクセスするためにインターネットを利用したという犯罪を指す可能性があると認識させるのであり、

以上のように、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目の「sexual offences against children」という語も、それが具体的にどのような性犯罪を指しているのか不明確であるとはいえ、実在する児童を相手方として性的行為を行うといった性犯罪のことではないかもしれないと読み手に一応認識させ得る記述も存在するのであり、

そういう意味でも、「渡辺論文の引用部分3」は原典の内容と一致しているとは言えません。

(実在する児童を相手方として性的行為を行うという性犯罪のことではないかもしれないと読み手に一応認識させ得る記述も存在するとはいえ、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」31頁12行目の「sexual offences against children」という語が具体的にどのような性犯罪を指しているのか不明確であることは間違いないのであり、事実の記述に際してそのような不明確な語を用いている「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」も決して褒められたものではないということをあらためて明記しておきます。)

(2の2)「渡辺論文の引用部分3」と「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の内容が明らかに異なるという疑いがあることについてその2。

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」1文目主節は「10 of the 50 cases identifed」という文言を用いており、特定の50件のうちの10件に関する言及であることが明らかですが、

「渡辺論文の引用部分3」2文目は単に「50件の内10件」と記述しており、特定の50件(のうちの10件)であるということを示す文言が無いという点で「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」と内容が一致しているとは言えませんが、全50件のうちの10件という趣旨であると認識させ得るものであるということを前提として話を進めますが、

「渡辺論文の引用部分3」は、(全)50件のうち10件以外では加害者が子どもの性搾取的な素材を所有していなかったということを含意しますが、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」は、特定の50件のうちの10件を除く残りの40件に関し、残りの40件(のうちの全部または一部)でも「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」がいうところの「child exploitation material」は発見されたがそれについては捜査官たちは詳細な回答はしなかった(詳細でない回答しかしなかった)のか、残りの40件では「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」がいうところの「child exploitation material」は発見されなかったのかはっきりしません。

この時点で、「渡辺論文の引用部分3」は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の内容と一致しているとは言えませんし、さらに、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30頁9~12行目及び同30~31頁表3によれば、「Baartz調査」が扱っている特定の50件の事件のうち38件で児童または若い人間(young people)のあからさまに性的な行為を描写した画像が取得されていたのであり、

若い人間のみを描写した画像は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」がいうところの「child exploitation material」には該当しないという論理もあり得なくはないですが、

「The data from Baartz (2008) describing the gender, ethnicity and age of the victims portrayed in the images examined by investigators would also suggest that they were mostly white, westernised females, aged between 8 and 12 years.」(Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer著「CHILD PORNOGRAPHY AND SEXUAL EXPLOITATION OFCHILDREN ONLINE」41頁18~21行目より引用)との記述によれば、「Baartz調査」が扱っている事件に関する画像に描写されていた人間の年齢は大部分が8~12歳であったようですので、

これらの点を考慮すれば、「Baartz調査」が扱っている特定された50件のうち捜査官たちが詳細な回答をした10件を除く残りの40件については、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」がいうところの「child exploitation material」は発見されなかったのではなく、残りの40件(のうちの少なくとも一部)でも「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」がいうところの「child exploitation material」は発見されたがそれについては捜査官たちは詳細な回答はしなかった(詳細でない回答しかしなかった)と考えるのが明らかに妥当です。

したがって、この部分についても「渡辺論文の引用部分3」は原典の内容と一致しているとは言えません。

(2の3)「渡辺論文の引用部分3」と「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の内容が明らかに異なるという疑いがあることについてその3。

まず、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」のうちの「“A vast majority of the collection were cartoon drawings from Japan.」という部分は「One such investigator」の報告であることが明白ですが、

「渡辺論文の引用部分3」のうちの「その大半は日本製の漫画だったという。」という部分は、なぜか「渡辺論文の引用部分3」の直後である「渡辺論文」16頁本文3~6行目に記述されている「調査担当者」(おそらく「One such investigator」の訳。後述しますがこの訳は明らかに不適切)が述べたとされる内容から切り離されており、

そのため「One such investigator」の報告であるということが明白でなくなっているばかりか、文脈的には「One such investigator」の報告ではなく「オーストラリア連邦警察による調査結果(2008年)」の著者による言及であるように読めるものとなっており明らかに不適切です。

(上述したように「渡辺論文」16頁本文6行目の「調査担当者」とは「One such investigator」の訳だと思うのですが、「One such」の部分が抜けているという点でも原典と一致せず、さらに「オーストラリア連邦警察による調査結果(2008年)」との文言との関連から「調査担当者」とは「オーストラリア連邦警察による調査結果(2008年)」の著者のことであると読み手に認識させる可能性が相当にあるわけですが、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」には「Debbie Baartz,Intelligence Analyst with the Australian Federal Police」(Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer著「CHILD PORNOGRAPHY AND SEXUAL EXPLOITATION OFCHILDREN ONLINE」1頁より前の頁番号が振られていない部分の8頁目16~17行目より引用)との記述があり、

この記述に照らせば、「渡辺論文」において「オーストラリア連邦警察による調査結果(2008年)」という文言で表されている「Baartz調査」の著者であるBaartz, D氏はオーストラリア連邦警察の「Intelligence Analyst」(情報分析官)であると思われるところ、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「investigators」は個々の事件の捜査を担当した人物たちのように思えますが、「Intelligence Analyst」(情報分析官)という肩書は個々の事件の捜査に当たる役職のものとは思えませんし(多数の事件から得られた情報を分析して仮説を立てたりそれを検証したりする役職のように思えます)、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」では「investigators」「One such investigator」という「Intelligence Analyst」とは異なる文言が用いられていることも軽視できませんので、それだけでもBaartz, D氏と「One such investigator」は別人であると考えられるのであり、

したがって、「Baartz調査」の著者であるBaartz, D氏と「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の「One such investigator」が同一人物であると思わせるような訳をするのは明らかに不適切です。)

そして、「渡辺論文の引用部分3」は「その大半」という語を用いており、これは文脈的に、(全)50件のうちの10件で加害者が所有していた子どもの性搾取的な素材の大半という趣旨であると読み手に認識されるものであると思いますが、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」において「Baartz調査」24頁からの直接引用という体裁で記述されている部分の「A vast majority of the collection」のうちの「the collection」が何を指しているのかは「Baartz調査」を読んで文脈等を確認しなければわからないと読み手に認識されるものであり、

(the+普通名詞は、それが指しているものは文脈等から明らかであることが通常ですが、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」のうちの「the collection」は「Baartz調査」24頁から直接引用されている文の中にあるということに注意が必要で、

この「the collection」が指しているものは「Baartz調査」24項もしくはその少し前の部分全体を読めば文脈等から明らかであるはずですが、全体から一部分だけが直接引用されることにより文脈から切り離されればそれが何を指しているかは明らかではなくなるのであり、「the collection」という語が何を指しているのか明らかではなくなっていても直接引用する際に文言を改変することはできませんので「the collection」という語がそのまま使われることになります。)

この部分についても「渡辺論文の引用部分3」は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の内容と一致しているとは言えません。

ところで、collectionという語は単数形であるところ、複数の事件における別々の人間によるcollectionはそれぞれ別個のまとまりと考えられ、それら別個のcollectionのうちの1つではなく2つ以上について言及するのであれば複数形であるcollectionsという語を用いて表しそうなものですので、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」が直接引用している部分の「the collection」は1つの事件における収集物を指していると考えるのが妥当ではないかと思います。

なお、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」の1文目の主語は複数形である「investigators」、2文目の主節の主語は単数形である「One such investigator」であり、「One such investigator」が特定の50件のうち捜査官たちが詳細な回答をした10件のうちの少なくとも1件を担当していたことは確実として、「One such investigator」が特定の50件のうち1件のみを担当し残りについては他のinvestigatorのみが担当したという可能性が残りますので、「One such investigator」が特定の50件のうち2件以上を担当していたか否かは不明です。

また、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3の「Other (e.g. cartoons).」という項目の「Number」欄に記載されている数字は「1」であることから、「Baartz調査」が扱っている特定された50件の事件のうちcartoonが取得されていた事件は1件は存在するとして、その1件だけだったかについてはデータがどのように扱われたのかがはっきりないしないため断定はできませんが、以下のとおり、おそらくその1件のみであったと考えるのが明らかに妥当です。

そもそも、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3は「Activity」欄に「Other (e.g. cartoons).」という項目が説明もなしに混ざっていること自体が理解しがたいのですが、それはいったんおいて、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」19頁32~37行目において直接引用されている報告の内容によれば、「Baartz調査」が扱っている特定の50件の事件の内にbondageを内容とするcartoonやincestを内容とするcartoonが収集されていた事件が存在することになりますが、

このような、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3の「Activity」欄に記載されている項目のうちの複数に該当すると思われる画像を1つの事件のoffenderが取得していた場合(1枚の画像の内容が複数の項目に該当する場合や複数枚の画像が取得されていたため複数の項目に該当する場合)、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3の「Activity」欄に記載されている項目のうちのどの項目の「Number」欄の数字に計上されたかが明記されておらず、例えば上記のようなincestを内容とするcartoonが取得されていた事件では「Incest or implied incest.」欄及び「Other (e.g. cartoons).」にそれぞれ計上されたのかそのうちのいずれかに計上されたのかがはっきりしません。

ただ、どの項目の「Number」欄の数字に計上されたかを一応推測させる材料がまったくないわけでもなく、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3の「Percentage」欄に記載されている数字は上から2番目までのものを足すだけでも100を超えることから、1つの事件においてoffenderによって取得されていた画像の内容が「Activity」欄に記載されている項目のうちの複数に該当する場合は複数の項目それぞれの「Number」欄の数字に計上したと考えられ、

それを前提とすると、例えば上記のようなincestを内容とするcartoonが取得されていた事件では「Incest or implied incest.」欄及び「Other (e.g. cartoons).」にそれぞれ計上されたと考えるのが自然です。

ただ、「Other (e.g. cartoons).」という文言は、「cartoons」は「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3の「Activity」欄に記載されている項目のうち「Other (e.g. cartoons).」という項目以外には該当しないということを前提としているように読めなくもなく、

仮にそうだったとすると、上記のようなincestを内容とするcartoonが取得されていた事件では「Other (e.g. cartoons).」欄の数字にのみ計上され「Incest or implied incest.」欄の数字には計上されなかったということになります。

この場合、「Activity」という文言は、実在する人間による行為という意味であると限定的に考え、「cartoons」については実在する人間による行為が描かれていないため「Activity」欄に記載されている項目のうち「Other (e.g. cartoons).」以外には該当しないという意味であると考えることになります。

上記2つの可能性については、そのいずれであるにしても「Baartz調査」が扱っている特定の50件の事件のうちcartoonが発見された事件は1件のみということになります。

上記2つの可能性のほか、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3の「Activity」欄に記載されている項目のうち「Other (e.g. cartoons).」以外のいずれにも該当しない要素のみを持つ画像だけが取得されていた場合に限り「Other (e.g. cartoons).」に該当するという意味であるという3番目の可能性について検討すると、

「Activity」欄に記載されている項目のうち「Other (e.g. cartoons).」以外のいずれにも該当しない画像は性的でも虐待的でもなさそうであり、そのような内容の画像にアクセスするためにインターネットを利用したりそのような内容の画像を取得したりすることが犯罪になるとは考えにくいということもありますので、3番目の可能性は極めて低いと思います。

また、上記3つの可能性のうち2番目及び3番目の可能性については、「Other (e.g. cartoons).」欄に関係しない画像については複数の項目それぞれの「Number」欄の数字に計上しながら、

「Other (e.g. cartoons).」欄に関係する画像については複数の項目それぞれの「Number」欄の数字に計上せず「Other (e.g. cartoons).」という項目の「Number」欄の数字のみまたは「Other (e.g. cartoons).」以外の項目の「Number」欄の数字のみに計上するという異なる扱いをする合理的な理由はないと思いますし、

同一の表の中でそのような異なる扱いをするなら異なる扱いをしたということをはっきりさせるべきだと思いますが、そのような異なる扱いをしたということは明記されていませんので、

2番目の可能性も低く、3番目の可能性については(上述したものとあわせて)極めて考え難いと言っていいと思います。

さらに、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」30~31頁表3は、「Baartz調査」の内容をもとにしたものであることは明示されており、かつ、「Baartz調査」何頁から引用したなどといった表記は存在しないことから、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」の著者らが「Baartz調査」の内容を参照して作成したものであると思われるところ、

「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」はその18頁27行目から20頁までに見られるように日本の漫画・アニメのような非写真的な画像も非難する論調で書かれており、

もし仮に「Baartz調査」が扱っている特定された50件のうちの2件以上においてoffenderによってcartoonが取得されていたという事実があったとした場合、2以上である件数をそのまま「Number」欄に記載し2件以上でoffenderによってcartoonが取得されていたということを明示した方が(1件のみだったというより2件以上あったという方がcartoonと犯罪にはより強い関連があるかもしれないと読み手に思わせることができcartoonのような非写真的な画像も規制すべきであるという方向に論理を持って行きやすいという意味で)「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献」にとってはおそらく都合が良かったはずであって

わざわざ「Activity」欄に記載されている項目のうち「Other (e.g. cartoons).」以外のいずれかに該当する画像は「Other (e.g. cartoons).」欄の「Number」欄の数字には計上しないという扱いをして「Other (e.g. cartoons).」欄の「Number」欄の数字を2以上より少ない「1」にする理由ないし動機はまったく考えられないのであり、

そういう点からも3番目の可能性は極めて低いと言っていいと思います。

以上より、「Baartz調査」が扱っている特定された50件の事件のうち「cartoons」が取得されていた事件はおそらく1件のみと考えられ、それを前提とすると、「Dr. Ethel Quayle・Lars Loof・Tink Palmer文献の被引用部分3」が直接引用している部分の「the collection」とは、「Baartz調査」が扱っている特定された50件のうちのcartoonが発見された1件における収集物を指していると考えるのが妥当ではないかと思います。

(予想以上に長くなってきたため、この記事はここでいったん終了します。)
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Author:stuvw

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