メモを兼ねて雑記(詰将棋)。

ネタバレというほどのことは書いていませんが、アニメ「3月のライオン」6話を未視聴の場合は視聴してからの方が良いと思います。また、内容は基本的に詰将棋に関するやや専門的なことだけです。
以下、本文。

「3月のライオン」6話を見ていて思い出したんですが、私は詰将棋が好きで解いたり解答を見ながら並べて鑑賞したりしていますが、過去には詰将棋を作ったこともあって、1作あたり1週間~1ヶ月ほどかけて作った(注1)作品のうち十数作ほど雑誌に投稿したら掲載されたことがあります(下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるというか、何十作も作っていれば大多数の凡作駄作の中に雑誌に掲載されるレベルのものが混ざることもあるようで)。

そして、自慢しようと思って自作が掲載された雑誌を将棋を指す友人等に見せたりしたわけですが、結構簡単に解かれてしまったりするわけです(詰将棋を解く力が高い人は難解でない短中編なら本当に秒単位で解いたりします、恐ろしいことに)。

なので、アニメ6話のあのシーンはすごくよくわかったりします(実際にあるんです、ああいうこと)。

まぁ、そんな過去の話はこのくらいにして、6話を見て雑誌掲載レベルの作品をもう一度作ってみたいなと思いまして、私は合駒が出てくる作品は好きで七種合(飛角金銀桂香歩の合駒がそれぞれ1回以上出てくる作品。以下、特に断らない限り受方七種合のこと)は一度作ってみたいなとも思っていましたので、久し振りに七種合に挑戦してみようと思ったのですが、七種合はもう数十作ほど作られているようで、現在では単なる七種合では雑誌掲載レベルとは言えず魅せる手順であったり何か別の趣向と組み合わせたりしないと雑誌掲載レベルとは言えないらしく、単なる七種合だけでもまだ実現できない私の作図力では雑誌掲載レベルの作品を作ることは相当難しそうです・・・。

ただ、七種合+別の趣向というのは例えば、深井一伸氏作「七対子」(詰将棋パラダイス昭和56年12月号。ダブル七種合)、藤本和氏作「虹色の扉」(近代将棋昭和60年8月号。順列七種合煙詰)、駒場和男氏作「六法七変化」(近代将棋昭和62年8月号。攻方六種不成+七種合)、小沢正広氏作「賎ヶ岳」(近代将棋昭和63年9月号。無仕掛七種合)、添川公司氏作「大航海」(近代将棋平成4年3月号。還元玉七種合煙詰)などなど、過去に名作がいろいろと発表されてきているわけで、まだ何か面白い作品が作れる可能性が残っているような気がします。

まだ実現されていない七種合+別の趣向のうち、実現できれば一番面白そうなのは双方七種合(受方七種合+攻方七種合)かなと思いますが、攻方七種合は単独でも難しく(双玉詰将棋を積極的に作る作家が非常に少ないこともあってか私の知る限り攻方準七種合というべきものが1作あるだけ。注2)、双方七種合以前にまず攻方七種合を目指すべきでしょうし、昔から有名な13種移動合(生駒七種+成駒六種移動合)なども相当難しそうですし、七種持駒+七種合あたりが現実的(既にあるかもしれませんが。)かなと思っていますが、それにしても、詰将棋を作っているときって合駒を出そうと思っていないときは中合や捨合がなぜか出てきたりするんですが、出そうと思うとなかなか出ないんですよね、不思議なことに。
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注1:詰将棋を作るときの基本的なルールとして、①攻方の連続王手によって受方の玉が詰みに至らなければならない、②初期局面及び受方の玉を詰みに至らせることが可能な攻方の王手に対して受方が詰みに至るまで最も長くなるとともに詰みに至ったときに攻方の持駒が残らないように応じた各局面において受方の玉を詰みに至らせることが可能な攻方の王手は1つでなければならない(余詰禁止。若干の例外あり)、③詰みに至るまで最も長くなるように応じた受方の玉が詰みに至ったときに攻方の持駒が残っていてはならない(駒余り禁止。変化長手数という例外が一応あり)、というものがあります。

③駒余り禁止は合駒絡みで駒取りが多い作品などを除けば作っているときに問題になることはそれほどありませんが、①は香など飛び道具による王手に対して合駒が可能なときは注意する必要があります。例えば、

逃れ図1

上記の逃れ図1は▲8五香と打てば以下詰んでいると思うかもしれませんが、△8四歩合とされると、▲8四同香に対しては△9三玉で詰まず、▲8四同竜に対しては△7二玉で詰みません。このくらいであれば読むのは比較的容易ですが、

逃れ図2

上記の逃れ図2も▲8五香と打てば詰みそうに見えますが、以下△8四桂合▲同香△8三金合で詰みません(大道詰将棋と呼ばれるジャンルの香歩問題と呼ばれる類型でよく出てくる筋です)。このように香などの王手に対して合駒が可能なときは詰みそうに見えても実は受方に意外な応手があって詰まないというのはそれほど珍しいことではありませんので、香などの王手に対して合駒が可能な詰将棋を作るときは受方がどのマスにどのような合駒をしてもちゃんと詰むということをしっかりと確認しないといけません。

そして、最も大変なのは②余詰禁止で、各局面で可能な王手のうち作意である1つ以外については詰みに至らない受方の応手があるということを確認しなければならないわけですが、これは各局面であらゆる王手を1つ1つかけてそれに対する受方の応手を確認していかなければならず、とにかく時間がかかります。

最近は柿木将棋Ⅸという余詰探しに非常に有用なソフトが比較的容易に入手できるようになり、単純な余詰の見落としなどはかなり防げるようになったようですが、ソフトも完璧ではないようですので、手作業で駒を1つずつ動かしながら検討する作業を怠るわけにはいかず、余詰探しは非常に大変です。

(柿木将棋Ⅸはシェアウェアで、Vectorのシェアレジで税込1080円を支払ってライセンスキーを入手することで利用できるようになります。クレジットカード払いしか支払手段がないというのがやや困りもので、利用限度額が比較的多額のクレジットカードをネットショッピングで利用するのはためらわれるとか未成年のためそもそもクレジットカードを持っていないなどといった場合もあるかと思いますが、最近はクレジットカードのように使えるブランドプリペイドカードであって未成年でも利用可能なものがいろいろあり、それを利用して支払うという手段があります。ちなみに私はローソンで入手可能な「おさいふPonta」を利用しました。)

そんなわけで、創作を始めたばかりの頃で柿木将棋を利用していなければちゃんと詰むかどうかとか余詰はないかを確認しているとそれだけで1週間くらいかかるというのはよくあることだと思います(もちろん作品にもよりますが)。構想を練ったりより良い駒配置はないかと推敲したりする時間を含めれば数ヶ月~数十年かかるということもあります。

注2:坂田真保氏作(掲示板「創作帳を虫干しましょう」2002年2月5日。同掲示板は2005年4月に消滅してしまったようで図面を確認することができませんが、この作品についてはたまたま当時作成したメモが手元に残っていましたので下記の図で間違いないと思います)。

攻方準七種合

行場所非限定と成不成非限定があるわけですが、成不成非限定については、その駒が成っているか成っていないかという点が異なるだけでその後の手順が変わらないときは余詰ではなく軽いキズとして扱うのが慣習です。行場所非限定についても、その後の手順が変わらないときは余詰ではなく重めのキズという見方がされていると思います。

打合移動合混在はともかくとして、飛合角合ではなく竜合馬合で攻方七種合と言えるかというのは定義次第ですが、権威ある定義が存在するわけでもないですので決着は着きません。ただ、詰将棋では例えば7色図式については竜や馬が混ざっていても7色図式と呼びますし、飛角図式についても竜や馬が混ざっている場合も飛角図式と呼ぶように、竜や馬は飛や角と同様ないし準ずるものとして扱うことはそんなに珍しくないですので、攻方準七種合ということでいいのではないでしょうかね(飛合角合の場合と比べて竜合や馬合が混ざる場合は創作難度が明らかに下がることから飛合角合の場合も竜合や馬合が混ざる場合も同じように攻方七種合と呼ぶことはためらわれますので、その意味でも準)。

さすがに成銀・成桂・成香・とについては相手方に取られるまでは金として扱われるというのが将棋のルールですので、成香合を香合といったりするのは駄目だと思いますが。

まぁ、攻方(準)七種合と言えるかというのはさておき、個人的には合駒で1枚稼ぐ部分がちょっと好みです。ただ、成不成非限定は余詰とは扱われないとしてもキズですし、この作品の場合は角以外の成不成は限定されているということもありますので成不成非限定は消した方が良いでしょうし(1七角→馬で可能)、6一とは不要駒ですので削った方が良いですし、不動駒が多く駒があまり活きていない感もありますので、例えば4三歩&4五銀&1八馬を削って受方4三銀にして駒数を減らしたり9二と→銀にして途中で活用したりする(この場合は6四銀は持駒にする方が軽いかも。)方が良かったのではないかなと。
プロフィール

Author:stuvw

民放4局以下地域在住。
アニメ視聴はBSなどで。

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